保育士の資格は保育士試験に合格することで取得できます。(他に、特定の学校で学ぶことで資格取得する方法もありますが、ここでは保育士試験についてのみ説明します。)
<受験資格>
保育士試験を受けるためには受験資格が必要です。
但しあなたが大卒や短大卒ならどんな学部・学科でも受験資格があります。詳細はこちらから「受験資格」をご覧ください。
高卒の場合は一定以上の実務経験(保育所等での勤務経験)が必要な場合があります。また中卒の場合は一定以上の実務経験が必須です。(全く謎の制度と思いますが。)
<試験制度>
試験には筆記試験と実技試験があります。筆記試験は9科目あり全科目合格する必要があります。そうでないと実技試験に進むことができません。
9つも科目があるのは難しそうと思われるかもしれませんが、9科目のうちのいくつかに合格した場合それは3年間有効です(免除制度)。つまり一度に全科目合格する必要はなく何回かに分けて合格していっても大丈夫です。
試験は年2回あるのですが、それとは別に神奈川県のみ独自の試験がありこれも含めれば年3回試験があることになります。(大阪府・沖縄県も地域限定の試験を実施しているそうですが、これは全国保育士試験と同じ日程で行われるのでチャンスが増えるというわけではありません。)(とはいえ神奈川まで受験に行くのは大変なのでチャンスが増えるのは関東圏の方くらいでしょうが。)
神奈川県の独自試験は神奈川県以外の方も受験可能でこの筆記試験で合格した科目は全国的に有効です(全国的に免除制度の対象となる)。このため早く資格を取りたい場合は受ける価値があります。
いずれにしても年2回(神奈川近辺の方は年3回)試験があり、3年間受け続けることが可能なので9科目といってもそれほど難しいとは言えないと思います。
もちろんモチベーションを保つのが大変なのでなるべく少ない回数で合格することがおすすめです。私は3か月ほどの独学で一発合格できました。これはまぐれかもしれませんが数回は受験する覚悟で臨めば合格できると思います。
<筆記試験について>
前述の通り9科目ありますが、実は科目ごとの試験範囲にかなり重複があります。9科目のうち、3科目(「保健」「食と栄養」「実習理論」)は試験範囲が他と異なるためこれらの科目のみ落とした場合、勉強する範囲が限定されて楽になります。しかしその他の科目を落とした場合勉強する範囲が少なくなるとは必ずしも言えません。(何回か受ければ大丈夫的な話をしたのと少し矛盾してしまうのですが。とはいえ筆記試験は各科目20問ずつ(教育原理、社会的養護の2科目は10問ずつ)で、すべての問題が5択なので運もあるのではないかと思います。)
<実技試験について>
筆記試験に9科目合格したら実技試験に臨みます。実技試験は3分野(音楽・造形・言語の3分野)から2つを選択して受験します。
「音楽」はピアノ(又はギター、アコーディオン)で課題曲(2曲)を弾き歌いします。
「造形」は課題として与えられた保育中の状況を色鉛筆で描きます。(課題は当日与えられます。)
「言語」はあらかじめ与えられたお話を子どもが前にいる想定でお話しします。
いずれにしてもそれほど難しいものではなくて、合格率は8割程度と言われています。とはいえあまりなめてかかると落ちる可能性があると思います。真剣に望みましょう。
実技試験の準備期間については前期試験の場合と後期試験の場合で少し状況が異なります。
前期試験の場合、筆記試験の結果が送付されてきた後、実技試験まで1カ月程度あります。時間に余裕がある人はその間に準備するのでいいでしょう。時間に余裕がない(現在の仕事が忙しいのでそんなに時間を取れない、などの)場合は筆記試験の正式な結果が出るまでに自己採点し筆記が合格しそうであれば準備するとよいでしょう。筆記試験から実技試験まで2カ月ちょっと期間があります。自己採点に必要な正答予想はさまざまな資格サイトで公開されます。
後期試験の場合、筆記試験の結果が送付されてから実技試験まで1週間ちょっとしかありません。この間に準備をするのは難しいと思います。筆記試験の後すぐに自己採点を行い合格しそうであれば準備をしてください。これだと準備期間は1カ月半ほどになります。
<まとめ>
要約すると、その気になれば取得可能な資格と思います。
勿論合格しようという決意は最低限必要です。但しその気さえあればなんとかなると思います。これから受験しようという方はぜひ頑張ってください。
ちなみに保育士資格がないと就職できないわけではありません。資格がない場合は「保育補助」として採用してもらえることがあります。私の場合は男性+高年齢のためまず資格を取りましたが、保育の現場は原則常に人手不足です。まず就職してみてその後に必要なら資格を取るということも可能と思います。(資格の有無は若干給料に反映されるのと、一部資格が必要な作業があります。)